すべて重荷を負うて苦労している者は、私のもとに来なさい。

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1.監獄でのヨセフ

・ヨセフは冤罪で投獄されたが、主が共におられたので、看守長の信任を得、囚人の世話を全て任された。
―創世記39:21-22「主がヨセフと共におられ、恵みを施し、監守長の目にかなうように導かれたので、監守長は監獄にいる囚人を皆、ヨセフの手に委ね、獄中の人のすることは全てヨセフが取りしきるようになった」。
・そのヨセフのいる獄に、エジプト王の役人が王の怒りに触れて投獄されてきた。
―創世記40:1-4a「これらのことの後で、エジプト王の給仕役と料理役が主君であるエジプト王に過ちを犯した。ファラオは怒って、この二人の宮廷の役人、給仕役の長と料理役の長を、侍従長の家にある牢獄、つまりヨセフがつながれている監獄に引き渡した。侍従長は彼らをヨセフに預け、身辺の世話をさせた」。
・二人はともに不思議な夢を見るが、解く人がいなかったのでふさぎ込んでいた。
―創世記40:4b-6「牢獄の中で幾日かが過ぎたが、監獄につながれていたエジプト王の給仕役と料理役は、二人とも同じ夜にそれぞれ夢を見た。その夢には、それぞれ意味が隠されていた。朝になって、ヨセフが二人のところへ行ってみると、二人ともふさぎ込んでいた」。
・現代においては、夢は無意識下に抑圧されていた過去の再体験であるとか(フロイト派)、無意識下における世界のリアリティー(ユング派)とか言われるが、古代において夢は「神の未来への啓示」とされ、夢の解釈は大事な仕事だった。ヨセフは二人に夢の内容を話すように語る「解き明かしは神がなされる」と。
−創世記40:7-8「ヨセフは主人の家の牢獄に自分と一緒に入れられているファラオの宮廷の役人に尋ねた『今日は、どうしてそんなに憂うつな顔をしているのですか』。『我々は夢を見たのだが、それを解き明かしてくれる人がいない』と二人は答えた。ヨセフは『解き明かしは神がなさることではありませんか。どうか私に話してみて下さい』と言った」。

2.夢を解くヨセフ

・給仕役は自分の見た夢をヨセフに話した。
−創世記40:9-11「給仕役の長はヨセフに自分の見た夢を話した『私が夢を見ていると、一本のぶどうの木が目の前に現れたのです。そのぶどうの木には三本のつるがありました。それがみるみるうちに芽を出したかと思うと、すぐに花が咲き、ふさふさとしたぶどうが熟しました。ファラオの杯を手にしていた私は、そのぶどうを取って、ファラオの杯に搾り、その杯をファラオに捧げました』」。
・ヨセフはその夢は「あなたが三日後に許されて復職する」ことを示すと夢解きをする。
−創世記40:12-13「ヨセフは言った。『その解き明かしはこうです。三本のつるは三日です。三日たてば、ファラオがあなたの頭を上げて、元の職務に復帰させて下さいます。あなたは以前、給仕役であった時のように、ファラオに杯を捧げる役目をするようになります』」。
・そしてヨセフは給仕役に、解放されたら自分のことを思い出し、牢から出してほしいと頼む。
−創世記40:14-15「ついては、あなたがそのように幸せになられた時には、どうか私のことを思い出して下さい。私のためにファラオに私の身の上を話し、この家から出られるように取り計らって下さい。私はヘブライ人の国から無理やり連れて来られたのです。また、ここでも、牢屋に入れられるようなことは何もしていないのです』」。
・料理役の夢は3日後に木にかけて処刑されるという夢であった。
―創世記40:16-19「料理役の長は、ヨセフが巧みに解き明かすのを見て言った『私も夢を見ていると、編んだ籠が三個私の頭の上にありました。いちばん上の籠には、料理役がファラオのために調えたいろいろな料理が入っていましたが、鳥が私の頭の上の籠からそれを食べているのです』。ヨセフは答えた『その解き明かしはこうです。三個の籠は三日です。三日たてば、ファラオがあなたの頭を上げて切り離し、あなたを木にかけます。そして、鳥があなたの肉をついばみます』」。
・二人は夢の通りになり、給仕役は釈放されたが、ヨセフのことを忘れ、ヨセフはそのまま牢獄に残された。
―創世記40:20-23「三日目はファラオの誕生日であったので、ファラオは家来たちを皆、招いて、祝宴を催した。そして、家来たちの居並ぶところで例の給仕役の長の頭と料理役の長の頭を上げて調べた。ファラオは給仕役の長を給仕の職に復帰させたので、彼はファラオに杯を捧げる役目をするようになったが、料理役の長は、ヨセフが解き明かした通り、木にかけられた。ところが、給仕役の長はヨセフのことを思い出さず、忘れてしまった」。
・給仕役がヨセフのことを思い出したのは、それから2年後、王が夢に悩まされた時だった。
―創世記41:1-13「二年の後、ファラオは夢を見た・・・朝になって、ファラオはひどく心が騒ぎ、エジプト中の魔術師と賢者をすべて呼び集めさせ、自分の見た夢を彼らに話した。しかし、ファラオに解き明かすことができる者はいなかった。その時、例の給仕役の長がファラオに申し出た『私は、今日になって自分の過ちを思い出しました。かつてファラオが僕どもについて憤られて、侍従長の家にある牢獄に私と料理役の長を入れられた時、同じ夜に、私たちはそれぞれ夢を見たのですが、そのどちらにも意味が隠されていました。そこには、侍従長に仕えていたヘブライ人の若者がおりまして、彼に話をしたところ、私たちの夢を解き明かし、それぞれ、その夢に応じて解き明かしたのです。そしてまさしく、解き明かした通りになりました』」。

3.未来は誰の手にあるのか

・現代人は「未来は自分たちの手の中にあり、努力と選択によって形成される」と考えているが、聖書は私たちには未来の選択権はなく、それは神にあると語る。なぜなら私たちは寿命さえも支配できない存在だからである。
−マタイ6:27−34「あなたがたのうちだれが、思い悩んだからといって、寿命をわずかでも延ばすことができようか・・・だから、明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。その日の苦労は、その日だけで十分である』」。
・ヨセフは夢を解いたが、夢は神が与えられる啓示であり、その解き明かしは神がされると理解している。聖書では、未来は神のみがご存知であり、必要な時に夢や幻を通して人に啓示されるとする。
―ダニエル2:26-28「王は・・・ダニエルに尋ねた『私の見た夢を言い当て、それを解釈してくれると言うのか』。
ダニエルは王に答えた『王様がお求めになっている秘密の説明は、知者、祈祷師、占い師、星占い師にはできません。だが、秘密を明かす天の神がおられ、この神が将来何事が起こるのかをネブカドネツァル王に知らせて下さったのです。王様の夢、お眠りになっていて頭に浮かんだ幻を申し上げましょう』」。
・ヨセフは給仕役を助けたのに、給仕役はそれを忘れて、ヨセフは更に2年間を獄で過ごす。しかし、その忍耐が彼の人格を磨き、視野を広げた。私たちもまた、「時が満ちる」まで待たなければいけない。
―ヨハネ黙示録6:9-11「小羊が第五の封印を開いた時、神の言葉と自分たちがたてた証しのために殺された人々の魂を、私は祭壇の下に見た。彼らは大声でこう叫んだ『真実で聖なる主よ、いつまで裁きを行わず、地に住む者に私たちの血の復讐をなさらないのですか』。すると、その一人一人に、白い衣が与えられ、また、自分たちと同じように殺されようとしている兄弟であり、仲間の僕である者たちの数が満ちるまで、なお、しばらく静かに待つようにと告げられた』」。
・しかし人は何とかして未来を知りたいと願う。エホバの証人は、「キリストの再臨とその後に起きるハルマゲドン(黙示録16:16、終末における神の裁き)への備え」を説き、「ハルマゲドンが切迫している」と繰り返し預言して、信者を増やしてきた。最初のハルマゲドン予測は1914年であったが、年代計算が期待外れに終わるたびに(1920年、1925年、1975年など)、新たな年代預言や解釈が更新されている。そして脱会を目論む者には「ハルマゲドンが来た時に滅ぼされる」と警告し、教団から離れることを困難にしてきた。終末がいつ来るかは神の領域であり、私たちには知らされていない。わからないことを、「わかる」と語る罪がそこにあるように思える。
-第二ペテロ3:8-10「愛する人たち、このことだけは忘れないでほしい。主のもとでは、一日は千年のようで、千年は一日のようです。ある人たちは、遅いと考えているようですが、主は約束の実現を遅らせておられるのではありません。そうではなく、一人も滅びないで皆が悔い改めるようにと、あなたがたのために忍耐しておられるのです。主の日は盗人のようにやって来ます。その日、天は激しい音をたてながら消えうせ、自然界の諸要素は熱に熔け尽くし、地とそこで造り出されたものは暴かれてしまいます」。
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