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1.アダムの系図

・アダムの系図は二つの意味を持つ。一つはアダムからノアまでの十代の系図を示して、創造から洪水までの人類史を描くことである。他は創造主からの祝福を受けて、被造物が地に増えていく経緯を示すことである。洪水後の系図は10章にあり、洪水によっても祝福は断絶しなかった。
−創世記5:1-2「これはアダムの系図の書である。神は人を創造された日、神に似せてこれを造られ、男と女に創造された。創造の日に、彼らを祝福されて、人と名付けられた」。
・人間は神のかたちに創造された。その創造は人間が子を持つことによって継続する。アダムは130歳になった時、セトを得た。この生命の継承の中に、神の祝福が継続している。人は罪を犯して楽園を追われ、兄弟を殺して地が呪われたにも関わらず、「産めよ、増えよ、地に満ちよ」(創世記1:28)の祝福が継続していることを創世記記者は強調する。
-創世記5:3-6「アダムは百三十歳になったとき、自分に似た、自分にかたどった男の子をもうけた。アダムはその子をセトと名付けた。アダムは、セトが生まれた後八百年生きて、息子や娘をもうけた。アダムは九百三十年生き、そして死んだ。セトは百五歳になった時、エノシュをもうけた。セトは、エノシュが生まれた後八百七年生きて、息子や娘をもうけた。セトは九百十二年生き、そして死んだ」。
・最初の三人の名は4:25−26にも出てくる。カインの流れとは異なる「主の御名を呼び始める」人々の流れである。カインの名はこの系図には現れない。
−創世記4:25-26「再び、アダムは妻を知った。彼女は男の子を産み、セトと名付けた。カインがアベルを殺したので、神が彼に代わる子を授け(シャト)られたからである。セトにも男の子が生まれた。彼はその子をエノシュと名付けた。主の御名を呼び始めたのは、この時代のことである」。
・アダムの系図は歴史であるが、他の国々の歴史と大きく異なる。古代一般の系図は支配者の系図であり、「王が何をしたか」を書く。創世記は個々の人間が「何をしたか」について何の興味も示さない。記述は「子を生んだこと」、「何年生きたか」、「いつ死んだか」のみである。神との関わりの中で歴史を見ている。メソポタミアでもエジプトでも、一番古い歴史記述は王や王朝の歴史である。人間の目から見た歴史は支配者の歴史であるが、神の目から見れば、個々人が何をしたかは枝葉末節のことだ。
−創世記5:7-14「エノシュは九十歳になった時、ケナンをもうけた。エノシュは、ケナンが生まれた後八百十五年生きて、息子や娘をもうけた。エノシュは九百五年生き、そして死んだ。ケナンは七十歳になった時、マハラルエルをもうけた。ケナンは、マハラルエルが生まれた後八百四十年生きて、息子や娘をもうけた。ケナンは九百十年生き、そして死んだ」。

2.神話から歴史へ

・この系図で目につくのは人々の寿命の長さで、多くは900歳前後まで生きている。アダム930年、セト912年、エノシュ905年、ケナン910年、マハラエル895年、イエレド962年、エノク365年、メトシェラ969年、レメク777年、ノア950年等々である。これは系図が歴史というよりも、まだ神話の中にあることを示すのであろう。
−創世記5:21-25「エノクは六十五歳になった時、メトシェラをもうけた。エノクは、メトシェラが生まれた後、三百年神と共に歩み、息子や娘をもうけた。エノクは三百六十五年生きた。エノクは神と共に歩み、神が取られたのでいなくなった。メトシェラは百八十七歳になった時、レメクをもうけた。メトシェラは、レメクが生まれた後七百八十二年生きて、息子や娘をもうけた。メトシェラは九百六十九年生き、そして死んだ」。
・注目すべきは系図の最後がノアであることで、父親は彼を慰め(ノア)と名付けた。
−創世記5:28-32「レメクは百八十二歳になった時、男の子をもうけた。彼は、『主の呪いを受けた大地で働く我々の手の苦労を、この子は慰めてくれるであろう』と言って、その子をノア(慰め)と名付けた。レメクは、ノアが生まれた後五百九十五年生きて、息子や娘をもうけた。レメクは七百七十七年生き、そして死んだ。ノアは五百歳になった時、セム、ハム、ヤフェトをもうけた」。
・神はノアの時代に洪水を起こして、罪を犯し続ける人間を滅ぼそうとされた。しかしその中に無言で従うノアを見出し、ノアからまた新しい人類が生まれるのを許された。
−創世記8:21-22「主は宥めの香りをかいで、御心に言われた。『人に対して大地を呪うことは二度とすまい。人が心に思うことは、幼いときから悪いのだ。私は、この度したように生き物をことごとく打つことは、二度とすまい。地の続くかぎり、種蒔きも刈り入れも寒さも暑さも、夏も冬も昼も夜も、やむことはない』」。
・アダムの系図はノアで終わるが、その子供たちから新しい人類が生まれていく。
−創世記9:28-10:1「ノアは、洪水の後三百五十年生きた。ノアの息子、セム、ハム、ヤフェトの系図は次のとおりである。洪水の後、彼らに息子が生まれた」。
・洪水後、系図の寿命は次第に短くなる。イスラエルの歴史はアブラハムから始まる。神話から現実への移行がここにある。ナホル、テラ、アブラハムから神話ではない、歴史が始まる。
−創世記11:10-26「セムの系図は次のとおりである。セムが百歳になった時、アルパクシャドが生まれた。それは洪水の二年後のことであった。セムは、アルパクシャドが生まれた後五百年生きて、息子や娘をもうけた。アルパクシャドが三十五歳になった時、シェラが生まれた。アルパクシャドは、シェラが生まれた後四百三年生きて、息子や娘をもうけた。シェラが三十歳になった時、エベルが生まれた。シェラは、エベルが生まれた後四百三年生きて、息子や娘をもうけた。エベルが三十四歳になった時、ペレグが生まれた・・・レウが三十二歳になった時、セルグが生まれた。レウは、セルグが生まれた後二百七年生きて、息子や娘をもうけた。セルグが三十歳になった時、ナホルが生まれた。セルグは、ナホルが生まれた後二百年生きて、息子や娘をもうけた。ナホルが二十九歳になった時、テラが生まれた。ナホルは、テラが生まれた後百十九年生きて、息子や娘をもうけた。テラが七十歳になったとき、アブラム、ナホル、ハランが生まれた」。
・ルカ福音書は創世記5章の系図をそのまま継承する。
ルカ3:23-38「イエスが宣教を始められたときはおよそ三十歳であった。イエスはヨセフの子と思われていた。・・・ヤコブ、イサク、アブラハム、テラ、ナホル、セルグ、レウ、ペレグ、エベル、シェラ、カイナム、アルパクシャド、セム、ノア、レメク、メトシェラ、エノク、イエレド、マハラルエル、ケナン、エノシュ、セト、アダム。そして神に至る」。
・現実の歴史では、人間は神との交わりを絶たれている。しかし、神の側からは人間に対する祝福、神のかたちの廃棄はない。イエスが遣わされたことにより、人間は神のかたちを回復するとパウロは理解する。
―ローマ5:17‐19「一人(アダム)の罪によって、その一人を通して死が支配するようになったとすれば、なおさら、神の恵みと義の賜物とを豊かに受けている人は、一人のイエス・キリストを通して生き、支配するようになるのです。そこで、一人の罪によってすべての人に有罪の判決が下されたように、一人の正しい行為によって、すべての人が義とされて命を得ることになったのです。一人の人の不従順によって多くの人が罪人とされたように、一人の従順によって多くの人が正しい者とされるのです。」
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