すべて重荷を負うて苦労している者は、私のもとに来なさい。

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1.築くものと壊すもの

・箴言14章も含蓄のある格言にあふれている。最初にあるのは「築く」と「壊す」の対比である。
−箴言14:1「知恵ある女は家庭を築く。無知な女は自分の手でそれを壊す」。
・14:1では「賢い妻と愚かな妻」が対比されるが、その結果は「築く」と「壊す」である。14:11では、結果が「栄える」と「滅ぶ」になる。同じ意味であろう。
−箴言14:11「神に逆らう者の家は断絶する。正しい人の天幕は繁栄する」。
・知恵は築き、愚かさは壊す。教会でも同じである。知識は人を高ぶらせ、愛は人を造り上げる。
−1コリント8:1-2「知識は人を高ぶらせるが、愛は造り上げる。自分は何か知っていると思う人がいたら、その人は、知らねばならぬことをまだ知らないのです」。
・だからパウロは自制を求めた。
-1コリント10:23-24「すべてのことが許されている。しかし、すべてのことが益になるわけではない。すべてのことが許されている。しかし、すべてのことが私たちを造り上げるわけではない。だれでも、自分の利益ではなく他人の利益を追い求めなさい」。

2.牛がいなければ飼い葉桶はきれいであるが

・11:4には農業に関する知恵が語られる。農作業をする上で牛馬は大きな力になるが、反面その世話は大変になる。その大変さが豊作をもたらすと作者は語る。
−箴言14:4「牛がいなければ飼い葉桶は清潔だが、豊作をもたらすのは牛の力」。
・近年手間暇のかかる自然農法をやめて、効率的な機械化農業に転換する農家も多いが、その結果は短期的な収量増加と長期的な土地の貧困化である。大規模農業は大量の地下水を必要とし、地下水の枯渇が米国や豪州の農業生産に影を落とし始めている(小麦1埓源困里燭瓩某1t必要)。豪州の米の生産量は164万トン/2000年が、2万トン/2008年にまで落ち込んでいる。箴言の知恵がなければ地球は60億人の人口を養えない。
-箴言14:18「浅はかな者は無知を嗣業とし、熟慮ある人は知識をその冠とする」。
・持続可能な農業とは、「飼い葉桶を綺麗にしながら行う」農業ではないかと思われる。生誕間もないイエスが「飼い葉桶」に寝かされたとの伝承は、箴言との関連で意味深いように思える。
-ルカ2:4-7「ヨセフもダビデの家に属し、その血筋であったので、ガリラヤの町ナザレから、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。身ごもっていた、いいなずけのマリアと一緒に登録するためである。ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである」。

3.狭い門から入れ

・14:12は自分勝手な知恵に対する警告であろう。短期的に成功しても長い目では間違いであったことが判明することが世の中には多い。
-箴言14:12「人間の前途がまっすぐなようでも、果ては死への道となることがある」。
・近年金融緩和のために、日本銀行による国債買い入れが増加し、新規発行の9割を日銀が購入している。これは異常事態であり、財政法5条「日本銀行による国債入れを原則禁止する」に違反した行為であり(但し国会決議により可能ではある)、財政規律の観点からは「禁じ手」とされている。目先の景気下支えのために、長期的な規律違反を冒すことは知者の行うことではないように思える。
-箴言14:8「思慮深い人は自分の知恵によって道を見分ける。愚か者の無知は欺く」。
・1960年代には「緑の革命」がもてはやされ、一時的には多収穫品種の採用や化学肥料や農薬の大量投与等による穀物の大量生産が進展した(推進したボーローグ氏に対して1970年にノーベル平和賞が授与された)。しかし、これは肥料や水を大量に用いる農業の工業化政策であり、やがて耕地の砂漠化、農薬汚染、地下水枯渇を招き、現在では失敗だったと総括されている。「広い門」には必ず罠が潜む。イエスが「狭い門から入れ」と言われたのは、知恵に満ちた言葉ではないだろうか。
-マタイ7:13-14「狭い門から入りなさい。滅びに通じる門は広く、その道も広々として、そこから入る者が多い。しかし、命に通じる門はなんと狭く、その道も細いことか。それを見いだす者は少ない」。
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