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トップ  >  雅歌  >  2013年7月31日祈祷会(雅歌8:1−14、響きあいこだまする愛の歌)
−「雅歌」解釈をめぐる歴史をひもとくと、四世紀ころ、すでにモプスエスティアのテオドロスが、当時主流であったアレクサンドリア学派の「雅歌」の比喩的解釈を退けている。彼はアンティオキア学派の神学者にして主教でもあった。彼はソロモン王が妻への愛を歌いあげた詩集が「雅歌」であると主張したが、当然、愛の詩集説は受け容れられるはずなく、彼の説は異端とされ、彼の死後、彼と共に墓場へ葬り去られた。
−16世紀の宗教改革者カルヴァンの伝記によれば、カルヴァンの同労者にしてジュネ−ヴ学院の校長であったセバスチャン・カスティリオは、「雅歌」を聖書の正典に加えることに反対したことと、もう一つ「使徒信条」のカルヴァンの解釈に異議を唱えたかどにより、学院校長の職を失い、カルヴァンによりジュネ−ヴから追い払われてしまった。
−雅歌8:1−2「あなたが、わたしの母の乳房を吸った、本当の兄と思う人なら、わたしをとがめたりはしないでしょう。外であなたにお会いして、くちずけするわたしを見ても。わたしを育ててくれた母の家に、あなたをお連れして、香り高いぶどう酒を、ざくろの飲み物を差し上げます。」
・あなたとわたしが本当の兄妹だったら、いっしょにいても誰もとがめたてしないでしょう。おとめは若者と一時たりとも離れがたい想いから、仮想の世界を作りあげる。
−雅歌8:3−4「あの人が左の腕をわたしの頭の下に伸べ、右の腕でわたしを抱いてくださればよいのに。エルサレムのおとめたちよ、誓ってください。愛がそれを望むまだは、愛を呼びさまさないと。」
・恋は気ままなもの、どこまで求めても満ち足りぬおとめの心、おとめはエリサレムのおとめたちへ、わたしたちの恋が実るときまで邪魔をしないと誓ってほしいと求める。
−合唱−
−雅歌8:5a「荒れ野から上って来るおとめは誰か、恋人の腕に寄りかかって。」
・場面が一転するとおとめの願い通りおとめは若者の腕に抱かれ登場する
−おとめの歌−
−雅歌8:5b−6a「りんごの木の下で、わたしはあなたを呼びさましましょう。あなたの母もここであなたをみごもりました。あなたを産んだ方も、ここであなたをみごもりました。わたしを刻みつけてください。あなたの腕に、印章として。」
・古代ユダヤ社会において社会的地位ある人々は印章をもっていた。ユダは妻タマルの身なりが変わっていたので、自分の妻と気付かず臥所を共にしょうとして、タマルから報酬をねだられ、保証を求められた。ユダはタマルに言った。「『どんな保証がいいのか』言うと、彼女は答えた。『あなたの紐のついた印章と、持っていらっしゃるその杖です。』ユダはそれを渡し、彼女の所に入った」(創世記38:18)
−合唱一−
−雅歌8:6b−7「愛は死のように強く、熱情は陰府のように酷い。火花を散らして燃える炎。大水も愛を消すことはできない、洪水もそれを押し流すことはできない。愛を支配しようと、財宝などを差しだす人があれば、その人は必ずさげすまれる。」
−試練を耐え抜いた愛こそが真の愛に昇華する。「たとえ、人々の異言、天使たちの異言を語ろうとも、愛がなければ、わたしたちは騒がしいどら、やかましいシンバル。たとえ、預言する賜物を持ち、あらゆる神秘とあらゆる知識に通じていようとも、たとえ、山を動かすほどの完全な信仰を持っていようとも、愛がなければ、無にひとしい。全財産を貧しい人人のために使い尽そうとも、誇ろうとしてわが身を死に引き渡そうとも、愛がなければ、わたしになんの益もない。」(汽灰螢鵐硲隠魁В院檻魁
−合唱二−
−雅歌8:8−9「わたしの妹は幼くて、乳房はまだない。この妹が求愛されたら、どうすればよいのか。この子が城壁ならば、その上に銀の柵をめぐらし、この子が扉ならば、レバノン杉の板で覆うことにする。」
・ここで、おとめの妹が唐突に現れる、おとめは自分の結婚後の妹の身の上を案じている、
−おとめの歌−
―雅歌8:10「わたしは城壁、わたしの乳房は二つの塔。あの人の目には、もう、満足を与えるものと見えています。」
・おとめは自身を城壁と二つに塔にたとえ、若者を満足させ得ると確信するようになった。
−合唱三−
―雅歌8:11−12「ソロモンはぶどう畑を、バアル・ハモンに持っていて、ぶどうの世話を番人たちに任せました。番人たちはそれぞれの、ぶどうに代えて銀二千を納めます。『これがわたしのぶどう畑、ソロモン様。銀一千はあなたの取り分、銀二百は世話を下番人へ。』」
・バアル・ハモン(位置不明)にある、最良のソロモンのぶそう畑でも、おとめにとってはなんの価値もなく、おとめにとって若者との愛こそが最高の価値なのである。
―若者の歌−
―雅歌8:13「園に座っているおとめよ、友は皆、あなたの声の耳を傾けている。わたしにも聞かせておくれ。」
−おとめの歌−
−雅歌8:14「恋しい人よ、急いでください、かもしかや子鹿のように、香り草の山々へ。」
・二人の歌声はこだまとなって響き合い空中で一つに結ばれる。彼らの結婚の日は近い。
−イエスは言われた。「それゆえ、人は父母を離れてその妻と結ばれ、二人は一体となる。だから、二人はもはや別々ではなく、一体である。従って神が結び合わせてくださったものを、人は離してはならない。」(マタイ19:5−6)
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