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トップ  >  雅歌  >  2013年6月19日祈祷会(雅歌2:1−17、わたしはシャロンのばら)
・「雅歌」は旧約聖書中でも異色なので、時代を越えて、様々な解釈と評価を受け続けている。その一つが男女の愛の賛美に対する寓話的解釈である。ユダヤ教のラビは「雅歌」の中の男女は、神と人間であると解釈したが、三世紀のアレキサンドリアの聖書学者オリゲネスは、若者をキリスト、おとめをキリストの教会、友人たちを天使や預言者たちだと解釈した。だが次第に、その解釈の矛盾に気付いたオリゲネスは「肉体的情欲から抜けきれない人々はこの書を読むべきではない」と強調した。しかし彼の主張は「雅歌」の詩から情熱を奪い、聖書から「雅歌」を除外するものと後に批判されることになったのである。
-雅歌2:1「わたしはシャロンのばら、野のゆり」
・シャロンは、イスラエルの地中海沿岸の、ヨッパからカルメル山麓に至る、なだらかで肥沃な平野で春になると花々で埋めつくされる。
-雅歌2:2「おとめたちの中にいるわたしの恋人は、いばらの中に咲きいでたゆりの花」
・若者からおとめへのほめ歌。若者はおとめに、あなたはおとめたちの中でひときわ美しいとほめる。他のおとめたちはここではばらを引き立てるいばらに例えられている。
おとめの歌
-雅歌2:3−4「若者たちの中にいるわたしの恋しい人は、森の中に立つりんごの木。わたしはその木陰を慕って座り甘い実を口に含みました。その人はわたしを宴の家に伴い、わたしの上に愛の旗を掲げてくれました。」
・おとめから若者への応答歌。おとめは若者のほめ歌を喜び、若者をほめる歌を返す、。二人の歌問答は調子を高め、若者を「森の中に立つりんごの木」になぞらえてほめる。緑の森の中で赤いりんごはよく目立つ、しかもその実は甘く芳わしい。ここでは、他の男性は引き立て役の森の雑木に例えられる。宴の家は愛の家、愛の旗は満たされた愛のしるし。
-雅歌2:5−7「ぶどうのお菓子でわたしを養い、りんごで力づけてください。わたしは恋に病んでいますから。あの人が左の腕をわたしの頭の下に伸べ、わたしを抱いてくださればよいのに。エルサレムのおとめたちよ、野のかもしか、雌鹿にかけて誓ってください。愛がそれを望むまでは、愛を呼びさまさないと。」
・おとめが若者に愛の誓いを求める歌。おとめはぶどう菓子やりんご、そして抱擁で恋の病を癒してほしいと訴え、さらに、野を駆けるかもしかと雌鹿は恋の使いだから、かもしかと雌鹿にかけて愛を誓ってほしいと求める。
-雅歌2:8−9「恋しい人の声が聞こえます。山を越え、丘を跳んでやって来ます。恋しい人はかもしかのよう、若い雄鹿のようです。ごらんなさい、もう家の外に立って、窓からうかがい、格子の外からのぞいています。」
・おとめが恋人への憧れを歌う。恋しい人がたとえ遠くにいようとも、二人の心は寄り添い、その声はかもしかや雄鹿のように、山を越え丘を跳び越えて、おとめに聴こえる。そして、若者がまるで今、戸口に立ち、格子窓からわたしを見ているように感じる。
-雅歌2:10−14「恋しい人は言います。『恋人よ、美しい人よ、さあ、立って出ておいで。ごらん、冬は去り、雨の季節は終わった。花は地に咲き出で、小鳥の歌う時がきた。この里にも山鳩の声が聞こえる。いちじくの実は熟し、ぶどうの花は香る。恋人よ、美しい人よ、さあ、立って出ておいで、岩の裂け目、崖の中にひそむわたしの鳩よ、姿を見せ、声を聞かせておくれ。お前の声は快く、お前の姿は愛らしい。』」
・おとめは恋人の優しさを歌う。恋人がどれほど自分に優しくしてくれるか、ほめ讃えてくれるかを綿々と歌う。冬は去り雨季も過ぎ今は春の盛り、花々は咲き乱れ二人の恋を祝福し小鳥も歌う。鳴き下手の山鳩まで歌っている。ぶどうの花が咲きいちじくも熟している。わたしの愛する人、わたしの可愛いい鳩よ、さあ岩の間から、出てきて愛らしい姿を見せ、愛らしい声を聴かせておくれと若者は歌う。
-雅歌2:15−17「狐たちをつかまえてください、ぶどう畑を荒らす子狐を。わたしたちのぶどう畑は花盛りですから。恋しい人はわたしのもの。わたしはあの人のもの、ゆりの中で群れを飼っている人のもの。夕べの風が騒ぎ、影が闇にまぎれる前に、恋しい人よ、どうか、かもしかのように、若い雄鹿のように、深い山に帰って来てください。」
・おとめが恋のときめきを歌う。彼はわたしのもの、わたしは彼のもの、そして、わたしたちの恋はわたしたち二人のものと歌う。男女の愛を、おおらかにのびのびと歌いあげているのが「雅歌」の特徴である。神が人を造られたおおらかな目的を聖書は語っている。
-創世記1:27−28「神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。神は彼らを祝福されて言われた。『産めよ、増えよ、地に満ちて従わせよ。海の魚、空の鳥、地の上を這う生き物をすべて支配せよ。』」
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