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トップ  >  雅歌  >  2013年6月12日祈祷会(雅歌1:1−16、ソロモンの雅歌)
・書名の「雅歌」は中国語訳を継承、その意味は「歌の中の歌」すなわち「最も素晴らしい歌」である。しかし、旧約聖書に編入されながら、神についての詩句がない「雅歌」が、どうして「歌の中の歌」なのか、などを課題に学んでゆきたい。
-雅歌1:1「ソロモンの雅歌。どうかあの方が、その口のくちずけをもって、わたしにくちずけしてくださるように。」
・かつて「雅歌」の作者は、ソロモン王とされていたが、ソロモン時代にはなかったアラム語やギリシャ語など外来語の影響、後世の香料の名の記載などから、前3世紀頃の成立かと推定され、ソロモン説には否定的である。歌の形式には諸説ある。ガリラヤの羊飼いの若者と娘との相聞歌(歌問答)というのもその一つである。「万葉集」が恋愛、親子、兄弟、友人間の相聞歌であるように、「雅歌」もまた相互の愛を歌い交わす相聞歌なのである。
-雅歌1:2a『おとめの歌』「ぶどう酒にもましてあなたの歌は快く。あなたの香油、流れるその香油のように、あなたの名はかぐわしい。おとめたちはあなたを慕っています。お誘いください、わたしを。急ぎましょう。王様、わたしをお部屋へ伴ってください。」
・ぶどう酒と香油は古来、恋人の気分を高めた。詩編104:15「ぶどう酒は人の心を喜ばせ油(香油)は顔を輝かせ、パンは人の心を支える」乙女が若者を王様と呼ぶが、むろん本物の王ではない。恋人同士が互いを、王や王妃になぞらえ呼びあうことは、ごく普通であり、娘が若い恋人を「白馬の王子」と呼ぶことさえ珍しくはない。
-雅歌1:2b−4a『おとめたちの歌』「わたしたちもあなたと共に喜び祝います。ぶどう酒にもまさるあなたの愛をたたえます。人は皆、ひたすらあなたをお慕いしています。」
・仲間のおとめたちは、若者をほめ、二人の愛をほめそやし合唱で祝福する。
-雅歌1:4b−7『おとめの歌』「エルサレムのおとめたちよ、わたしは黒いけれども愛らしい。ケダルの天幕、ソロモンの幕屋のように。どうぞ、そんなに見ないでください、日焼けして黒くなったわたしを。兄弟たちに叱られて、ぶどう畑の見張りをさせられたのです。自分の畑は見張りもできないで。教えてください、わたしの恋い慕う人、あなたはどこで群れを飼い、真昼にはどこで群れを憩わせるのでしょう。牧童たちが飼う群れのそばで、顔を覆って待たなくてもすむように。」
・娘は黒く日焼けした自分を恥じ、言い訳をしながら自慢している。黒くてもわたしは可愛く、ケダルの天幕、ソロモンの幕屋のようだと。ケダルはべドウイン族のことを指し、彼らの天幕は高価な黒山羊の皮であった。ソロモンの幕屋とは王宮のことで、その壁飾りは、荒梳きの毛糸地に、金糸銀糸で絵画様の模様を織りだした豪華な壁掛けであった。
-雅歌1:8『おとめたちの歌』「だれにもまして美しいおとめよ、どこかわからないのなら、群れの後をたどって羊飼いの小屋に行き、そこであなたの子山羊に草をはませていなさい。」
・若者との逢瀬の場所を聞く娘に、若者はまず誰にもまして美しいおとめよ。と好意を示し、呼びかけを受諾、約束の場所への道を教える。
-雅歌1:9−11『若者の歌』「恋人よ、あなたをたたえよう、フアラオの車を引く馬に。房飾りのゆれる頬も、玉飾りをかけた首も愛らしい。あなたに作ってあげよう、銀を散らした金の飾りを。」
・若者はフアラオ、王の車を引く馬におとめをなぞらえてほめる。当時フアラオの車を引くのは雄馬であったが、おとめに好意を得るため若者は無理をしている。フアラオの馬は現代のサーカスの馬のように、美しいくつわや手綱で飾り立てられていた。
-雅歌1:12−14『おとめの歌』「王様を宴の座にいざなうほど。わたしのナルドは香りました。恋しい方はミルラの匂い袋、わたしの乳房のあいだで夜を過ごします。恋しい方は香り高いコフエルの花房、エン・ゲディのぶどう畑に咲いています。」
・エン・ゲディは死海西岸の肥沃なオアシス。コフエルは香り高い花房をつけた灌木。
-マルコ14:3−4「イエスがベタニヤで、らい病人シモンの家におられたとき、食卓についておられると、ひとりの女が、純粋で非常に高価なナルド油の入った石膏のつぼを持って来て、その壺を割り、イエスの頭に注いだ。」
-エステル2:12「十二か月の美容の期間が終わると、娘たちは順番にクセルクセス王のもとに召されることとなった。娘たちは六か月間ミルラ香油で、次ぎの六か月間で容姿を美しくすることが定められていた。」
-雅歌1:15−17『若者の歌』「恋人よ、あなたは美しい。あなたは美しく、その目は鳩のよう。『おとめの歌』「恋しい人、美しいのはあなた、わたしの喜び、わたしたちの寝床は緑の茂み。レバノン杉が家の梁、糸杉が垂木。」
・若者がおとめの美しさをほめ歌うと、おとめはあなたこそ美しいとほめ歌を返す、受けては返す、これぞまさに愛の相聞歌(歌問答)である。
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