すべて重荷を負うて苦労している者は、私のもとに来なさい。

トップ  >  ヨエル書  >  2013年5月16日祈祷会(ヨエル2章、絶望の底での救済の始まり)
1. いなごの害と日照りの害が極まる

・ヨエル書は捕囚から帰還した人々を襲ったいなごと干ばつの災害を前にして、ヨエルが語った言葉だ。ヨエル時代のいなごの害は史上まれに見る悲惨なものだった。数億匹のいなごが大量発生し、地上の穀物や木々を手当たり次第に食べ尽くした。それはまるで神の軍勢が地上を襲ったとしか思えないような凄まじさであった。
−ヨエル2:1-3「シオンで角笛を吹き、わが聖なる山で鬨の声をあげよ。この国に住む者は皆おののけ。主の日が来る、主の日が近づく。それは闇と暗黒の日、雲と濃霧の日である。強大で数多い民が、山々に広がる曙の光のように襲ってくる。このようなことは、かつて起こったことがなく、これから後も、代々再び起こることはない。彼らの行く手を、火が焼き尽くし、彼らの後ろには燃える炎が続く。彼らの来る前、この国はエデンの園のようであった。彼らの去った後には、滅びの荒れ野が残る。何ものもこれを逃れえない」。
・ヨエルはその状況を軍隊の侵略に喩えて、叙述する。それは防ぎようがなく、城壁も槍も何の役にも立たない。
−ヨエル2:4-9「その姿は馬のようで、軍馬のように駆ける。戦車のような響きをたてて山の頂を駆け巡り、わらを焼く炎のような音をたてる。これは戦いの備えをした強大な民の姿だ。その前に、諸国の民はもだえ、どの顔も色を失う。彼らは勇士のように走り、戦士のように城壁をよじ登る。おのおの自分の道を進み、進路を外れることはない。互いに押し合うことなく、自分の前に敷かれた大路を進む。たとえ投げ槍の間に突進してもひるむことはない。町の中を駆け巡り、城壁の上を走り、家々によじ登り、盗人のように窓から入り込む」。
・その様はまるで終末の破滅の時のようだ。いなごの大軍で太陽も月もその光を失った。「神の裁き」だと人々はおののいた。まるで主がユダヤを滅ぼされるかのように激しく攻め立てられる。
−ヨエル2:10-11「地はおののき、天は震える。太陽も月も暗くなり、星も光を失う。主はその軍勢の前で声をとどろかされる。その陣営は甚だ大きく、御言葉を実現される方は力強い。主の日は大いなる日で、甚だ恐ろしい。誰がその日に耐ええよう」。
・ヨハネは黙示録の中で終末をヨエルの災いの中に描いている。
−ヨハネ黙示録9:1-11「第五の天使がラッパを吹いた・・・大きなかまどから出るような煙が穴から立ち上り、太陽も空も穴からの煙のために暗くなった。そして、煙の中から、いなごの群れが地上へ出て来た・・・いなごの姿は、出陣の用意を整えた馬に似て、頭には金の冠に似たものを着け、顔は人間の顔のようであった。また、髪は女の髪のようで、歯は獅子の歯のようであった。また、胸には鉄の胸当てのようなものを着け、その羽の音は、多くの馬に引かれて戦場に急ぐ戦車の響きのようであった。さそりのように、尾と針があって・・・人に害を加える力があった。いなごは、底なしの淵の使いを王としていただいている」。

2.祝福としての災い

・災いが与えられた時、人にできることは嘆き、断食し、悔い改めることだ。「困窮と絶望が底の底まで届いた時、神の救いが始まる、だから御名を呼び求めよ」とヨエルは民に宣言する。
−ヨエル2:12-14「主は言われる『今こそ、心から私に立ち帰れ、断食し、泣き悲しんで。衣を裂くのではなく、お前たちの心を引き裂け』。あなたたちの神、主に立ち帰れ。主は恵みに満ち、憐れみ深く、忍耐強く、慈しみに富み、くだした災いを悔いられるからだ。あるいは、主が思い直され、その後に祝福を残し、あなたたちの神、主にささげる穀物とぶどう酒を残してくださるかもしれない」。
・15節から人々がヨエルの勧告に従って断食と祈祷を始めたことが記される。その集いには子供も老人も花婿も花嫁も集められ、祭司は叫ぶ「主よ、あなたの民を憐れんでください」と。
−ヨエル2:15-17「シオンで角笛を吹き、断食を布告し、聖会を召集せよ。民を呼び集め、会衆を聖別し、長老を集合させよ。幼子、乳飲み子を呼び集め、花婿を控えの間から花嫁を祝いの部屋から呼び出せ。祭司は神殿の入り口と祭壇の間で泣き、主に仕える者は言うがよい『主よ、あなたの民を憐れんでください・・・彼らの神はどこにいるのかとなぜ諸国の民に言わせておかれるのですか』」。
・災いは主が起こされる故に、主が静められる。「災いは悔い改めという実を結んだ時に終わる」と主は神殿を奉献したソロモンに約束された。
-粁鯊綮7:12-15「私はあなたの祈りを聞き届け、この所を選び、いけにえのささげられる私の神殿とした。私が天を閉じ、雨が降らなくなるとき、あるいは私がいなごに大地を食い荒らすよう命じるとき、あるいは私の民に疫病を送り込むとき、もし私の名をもって呼ばれている私の民が、ひざまずいて祈り、私の顔を求め、悪の道を捨てて立ち帰るなら、私は天から耳を傾け、罪を赦し、彼らの大地をいやす。今後この所でささげられる祈りに、私の目を向け、耳を傾ける」。
・「神は御自分で為されたことには、必ずその結果に対して何らかの責任をお取りになる」、ヨエルは祈りが聞かれ、主がいなごの大軍を東の海(死海)、西の海(地中海)に追い落とされたと報告する。
−ヨエル2:18-20「そのとき、主は御自分の国を強く愛し、その民を深く憐れまれた。主は答えて、その民に言われた『見よ、私は穀物とぶどうとオリーブを、お前たちに送り、飽き足らせよう。お前たちが国々の中で恥を受けることを私は二度と許さない。北から来る者をお前たちから遠ざけ、彼らを乾いた荒廃の地に追いやり、先陣を東の海に、後陣を西の海に追い落とす・・・』」。
・ヨエルは続けて民に与えられる主の祝福を歌う。「主は偉大な御業を成し遂げられた」と。
−ヨエル2:21-24「大地よ、恐れるな、喜び躍れ。主は偉大な御業を成し遂げられた。野の獣よ、恐れるな。荒れ野の草地は緑となり、木は実を結び、いちじくとぶどうは豊かな実りをもたらす。シオンの子らよ。あなたたちの神なる主によって喜び躍れ。主はあなたたちを救うために、秋の雨を与えて豊かに降らせてくださる。元のように、秋の雨と春の雨をお与えになる。麦打ち場は穀物に満ち、搾り場は新しい酒と油に溢れる」。
・回復の約束は復旧と復興だ。かつて泣いた民が再び笑うようになる。信仰を失くした民の信仰もまた戻される。
-ヨエル2:25-27「私がお前たちに送った大軍、すなわち、かみ食らういなご、移住するいなご、若いいなご、食い荒らすいなごの食い荒らした幾年もの損害を私は償う。お前たちは豊かに食べて飽き足り、驚くべきことをお前たちのために成し遂げられた主、お前たちの神なる主の御名をほめたたえるであろう。私の民は、とこしえに恥を受けることはない。イスラエルのうちに私がいることを、お前たちは知るようになる。私はお前たちの神なる主、ほかに神はいない。私の民は、とこしえに恥を受けることはない」。
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