すべて重荷を負うて苦労している者は、私のもとに来なさい。

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1.決疑法と断言法(21:33-22:16)


・イスラエル法のあるものは決疑法と呼ばれる。「もし・・・ならば、彼は・・・しなければいけない」と言うもので、世俗の事柄を扱う。ほとんどがカナンの慣習法に由来する(古代東方に共通する)。出エジプト記は21:33−22:16まで、その具体例を列記する。
―出エジプト記22:6「人が銀あるいは物品の保管を隣人に託し、それが隣人の家から盗まれた場合、もし、その盗人が見つかれば、盗人は二倍にして償わねばならない。」
―出エジプト記22:15「人がまだ婚約していない処女を誘惑し、彼女と寝たならば、必ず結納金を払って、自分の妻としなければならない。」
・他方、祭儀的・神学的な法は「あなたは・・・しなければならない」という断言法で書かれている。これはイスラエルがその信仰に基づいて定めたもので、古代東方の法には類例がない。
―出エジプト記22:20「(あなたは) 寄留者を虐待したり、圧迫したりしてはならない。」
―出エジプト記23:2 「あなたは多数者に追随して、悪を行ってはならない。法廷の争いにおいて多数者に追随して証言し、判決を曲げてはならない。」
・律法の中心は断言法である。それは人間の知恵を超えた神からの賜物として人々は従った。


2.呪術の禁止(22:17―19)

・イスラエルでは呪術を行うもの、そのために獣と交わるもの、他の神々に犠牲を捧げる者は死刑とされた。
―出エジプト記22:17-19「女呪術師を生かしておいてはならない。すべて獣と寝る者は必ず死刑に処せられる。主ひとりのほか、神々に犠牲をささげる者は断ち滅ぼされる。」
・カナンにおいては魔術や死者交霊は日常的であり、その悪習がイスラエルにも入ってきた。法はそのようなものは聖絶(滅ぼしつくせ)と命じる。



3.隣人を愛せ(22:20―26)

・イスラエルの法では「寄留者を虐げるな」という戒めが繰り返し語られる。それは彼らがエジプトの地で寄留者として苦しめられ、それを神が救われたからだ。慰めを受けたものが他者を虐げていいのかと言う問いである。
―出エジプト記23:9「あなたは寄留者を虐げてはならない。あなたたちは寄留者の気持を知っている。あなたたちは、エジプトの国で寄留者であったからである。」
・寡婦や孤児を苦しめるなと繰り返し言われる。彼らには家族の長の保護がなく、社会に依存しなければ生きることが出来ない。神はエジプトで抑圧に苦しむ声を聞いた。だから、ここでも苦しむものの声を聞くと言われる。
―出エジプト記22:21-22「寡婦や孤児はすべて苦しめてはならない。もし、あなたが彼を苦しめ、彼がわたしに向かって叫ぶ場合は、わたしは必ずその叫びを聞く。」
・「寡婦や孤児を苦しめるものは私が剣で殺す」とさえ神は言われる。あなたが死ねばあなたの妻は寡婦となり、あなたの子は孤児になるのだ。神の憐れみはこのような激しさを持つ。
―出エジプト記22:23「私の怒りは燃え上がり、あなたたちを剣で殺す。あなたたちの妻は寡婦となり、子供らは、孤児となる。」
・民の貧しいものに貸す時は利子を取るな。借金の担保に上着(外套)を取った時には日没までにそれを返せ。貧しいものは外套なしでどうして夜の寒さを耐えることが出来ようか。
―出エジプト記22:24-26「あなたがわたしの民、あなたと共にいる貧しい者に金を貸す場合は、彼に対して高利貸しのようになってはならない。彼から利子を取ってはならない。もし、隣人の上着を質にとる場合には、日没までに返さねばならない。なぜなら、それは彼の唯一の衣服、肌を覆う着物だからである。彼は何にくるまって寝ることができるだろうか。もし、彼が私に向かって叫ぶならば、私は聞く。私は憐れみ深いからである。」
・イエスはこれを更に進めよと命令された。貸す時に返してもらうことを当てにせずに貸せと。
―ルカ6:34-35「返してもらうことを当てにして貸したところで、どんな恵みがあろうか。罪人さえ、同じものを返してもらおうとして、罪人に貸すのである。・・・何も当てにしないで貸しなさい。そうすれば、たくさんの報いがあり、いと高き方の子となる。いと高き方は、恩を知らない者にも悪人にも、情け深いからである。」
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