すべて重荷を負うて苦労している者は、私のもとに来なさい。

トップ  >  ホセア書  >  2012年4月19日祈祷会(ホセア11章、あなたは滅ぶな)
1.背信の道を歩むイスラエル

・ホセアは自らの経験(妻に裏切られながらも妻を愛し続ける)から、神の愛(裏切り続けるイスラエルの民をなおも愛し続ける神)を知った。旧約には「愛」という言葉はほとんど語られないが、ホセア書には19回も「愛」が語られる。
−ホセア11:1-4「まだ幼かったイスラエルを私は愛した。エジプトから彼を呼び出し、わが子とした。私が彼らを呼び出したのに、彼らは私から去って行き、バアルに犠牲をささげ、偶像に香をたいた。エフライムの腕を支えて歩くことを教えたのは、私だ。しかし、私が彼らをいやしたことを彼らは知らなかった。私は人間の綱、愛のきずなで彼らを導き、彼らの顎から軛を取り去り、身をかがめて食べさせた」。
・イエスもまた神の民として選ばれたイスラエル人が、繰り返し主なる神を裏切って来たことを譬えで話されている。その時、イエスはホセアの言葉を聞こうとしなかったイスラエルの事例を想起されていたのかもしれない。
−ルカ20:9-12「ある人がぶどう園を作り、これを農夫たちに貸して長い旅に出た。収穫の時になったので、ぶどう園の収穫を納めさせるために、僕を農夫たちのところへ送った。ところが、農夫たちはこの僕を袋だたきにして、何も持たせないで追い返した。そこでまた、ほかの僕を送ったが、農夫たちはこの僕をも袋だたきにし、侮辱して何も持たせないで追い返した。更に三人目の僕を送ったが、これにも傷を負わせてほうり出した」。
・主の愛や心配りにもかかわらずイスラエルは主を拒否した。それゆえイスラエルは再び奴隷の境遇に落とされる。この度はエジプトではなく、アッシリアが彼らの主人になる。アッシリアは狂暴に荒れ狂い、多くの血が流れるだろう。
−ホセア11:5-7「彼らはエジプトの地に帰ることもできず、アッシリアが彼らの王となる。彼らが立ち帰ることを拒んだからだ。剣は町々で荒れ狂い、たわ言を言う者を断ち、たくらみのゆえに滅ぼす。わが民は頑なに私に背いている。たとえ彼らが天に向かって叫んでも助け起こされることは決してない」。

2.しかしあなたがたは滅ぶな

・イスラエルは処罰を受ける。罪を犯した者はそれを贖う必要がある。しかしそれは呪いではない。主はイスラエルの滅亡を望んでおられず、彼らが再び生きることを求めておられる。子が父に背いても父は子を棄てない。棄てられないのだ。ソドムやゴモラは神の罰を受け、アドマやツェボイムは滅んだ。しかしイスラエルは滅びず、必ず残りの者が与えられ、そこから新しい芽が出るとホセアは預言する。
−ホセア11:8-9「ああ、エフライムよ、お前を見捨てることができようか。イスラエルよ、お前を引き渡すことができようか。アドマのようにお前を見捨て、ツェボイムのようにすることができようか。私は激しく心を動かされ、憐れみに胸を焼かれる。私は、もはや怒りに燃えることなく、エフライムを再び滅ぼすことはしない。私は神であり、人間ではない。お前たちのうちにあって聖なる者。怒りをもって臨みはしない」。
・ある牧師はこの節を次のように説教した(2011年11月ルーテル学院チャペル礼拝「心焼かれる神」北尾一郎)。
−紀元前13世紀にエジプトという大帝国における圧政から解放されたイスラエル民族は紀元前8世紀にアッシリア大帝国の攻撃にさらされます。その時代を背景として活動した預言者ホセアは、イスラエルを解放された神が今激しい苦しみの中にあるという鮮烈な神のイメージを明らかにしています。神は、「愛の絆」で民を導き、お母さんが子供にするように、「身をかがめて食べさせた」と言うのです。その神を裏切った背信のイスラエルがアッシリアの手に落ちるのを、お父さんのように義しく厳しい神は救うことができないのです。それでも神は、お母さんのように「ああ、お前を見捨てることができようか」と言われます。「私は激しく心を動かされ、憐れみに胸を焼かれる」と神は言われます。別の訳で読むと前半はこうなっています。「私の心は私に向かって向きを変える」。何という神の苦しみでしょう。そして、神は「もはや怒りに燃えることなく、再び滅ぼすことはしない。私は神であって、人間ではない。」と言って怒りをおさめられます。愛が怒りに打ち克つのです」。
・ホセアは他の男の元に走り、やがて男に捨てられて娼婦となっていた妻を探し出して連れ帰った。同じように、父なる神はアッシリアに連れ去られた民を探し出して、再びこの地に連れ戻されるだろうとホセアは確信する。
−ホセア11:10-11「獅子のようにほえる主に彼らは従う。主がその声をあげるとき、その子らは海のかなたから恐れつつやって来る。彼らは恐れつつ飛んで来る。小鳥のようにエジプトから、鳩のようにアッシリアの地から。私は彼らをおのおのの家に住まわせると主は言われる」。
・父なる神は罪を罰しても赦して下さる。150年後、南王国ユダの預言者エレミヤはホセアの思想を継承した。彼はユダの滅亡を預言するが、しかしユダも兄エフライムと共に戻される日が来ることを確信する。
−エレミヤ31:18-20「私はエフライムが嘆くのを確かに聞いた『あなたは私を懲らしめ、私は馴らされていない子牛のように懲らしめを受けました。どうか私を立ち帰らせてください。私は立ち帰ります。あなたは主、私の神です。私は背きましたが、後悔し、思い知らされ、腿を打って悔いました。私は恥を受け、卑しめられ、若いときのそしりを負って来ました』。エフライムは私のかけがえのない息子、喜びを与えてくれる子ではないか。彼を退けるたびに、私は更に、彼を深く心に留める。彼のゆえに、胸は高鳴り、私は彼を憐れまずにはいられないと主は言われる」。
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