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1.血塗られた歴史の中で

・ホセア7章は王国末期のイスラエルの政治状況の告発の書である。イスラエル王国はヤロブアム2世死後、無政府状況になり、ヤロブアムの子ゼカリアは即位6ヶ月後に殺され、暗殺者シャロムは1ヶ月後にメナヒムに滅ぼされる。メナヒムの10年間の治世の後、息子ペカヤは軍司令官ペカに殺され、ペカはアッシリア侵攻の中でホセアの陰謀に倒れる。このホセアの時代にイスラエル王国は滅亡する。列王記はイスラエルの滅亡を罪の結果と断罪する。
−列王記下17:7-8「こうなったのは、イスラエルの人々が、彼らをエジプトの地から導き上り、エジプトの王ファラオの支配から解放した彼らの神、主に対して罪を犯し、他の神々を畏れ敬い、主がイスラエルの人々の前から追い払われた諸国の民の風習と、イスラエルの王たちが作った風習に従って歩んだからである」。
・王国では次から次に血が流されて権力の簒奪がなされ、最後には国が滅ぶ。外面的にはアッシリア帝国の政治的圧力により国が滅ぶが、本質的には罪による自滅であることを預言者は見抜いている。
−ホセア7:3-7「彼らは悪事によって王を、欺きによって高官たちを喜ばせる。彼らは皆、姦淫を行う者、燃える竈のようだ。パンを焼く者は小麦粉をこねると、膨むまで、火をかき立てずにじっと待つ。我々の王の祝いの日に、高官たちはぶどう酒の熱で無力になり、王は陰謀を働く者たちと手を結び、燃えるかまどのようなたくらみに心を近づける。夜の間眠っていた彼らの怒りは、朝になると燃え盛る火のように炎を噴く。彼らは皆、かまどのように熱くなり、自分たちを支配する者を焼き尽くした。王たちはことごとく倒れ、一人として、私を呼ぶ者はなかった」。
・「王たちはことごとく倒れ、一人として、私を呼ぶ者はなかった」、簒奪者たちは王や側近を酒で酔わせ、彼らが眠っている間に殺し、新しい王朝の成立を宣言する。しかし暗殺者もやがて陰謀により倒されていく。彼らが気にするのはアッシリアやエジプトの動きだけで、誰も主の名を求めないと預言者は告発する。

2.イスラエルの滅亡

・8節以下には滅亡に向かうイスラエル王国の有様が描写される。彼らは「裏返しせずに焼かれたパン」のように、裏は焦げているが表は焼けていない。彼らは愚かな鳩のように、ある時はアッシリアに、次の時はエジプトになびき、最後は網にかかって自滅する。
−ホセア7:8-12「エフライムは諸国民の中に交ぜ合わされ・・・裏返さずに焼かれた菓子となった。他国の人々が彼の力を食い尽くしても彼はそれに気づかない。白髪が多くなっても彼はそれに気づかない・・・彼らは神なる主に帰らず、これらすべてのことがあっても主を尋ね求めようとしない。エフライムは鳩のようだ。愚かで、悟りがない。エジプトに助けを求め、あるいは、アッシリアに頼って行く。彼らが出て行こうとするとき、私はその上に網を張り、網にかかった音を聞くと、空の鳥のように、引き落として捕らえる」。
・メナヒム時代、イスラエルは1000タラントの銀を上納するようにアッシリアに求められ、国内に重税を課してそれを納めた(1タラント=賃労働者の16年分の給与=数千万円)。ペカが反抗した時、アッシリアはガリラヤとヨルダン川東岸を占領し自国領土に編入し、イスラエルはエフライムの山地と首都サマリアだけに領土を侵食される。その中で国内では親アッシリア派と親エジプト派が対立し、次々に政変が起きるが、主の助けを求める者はいなかった。
−ホセア7:13-14「なんと災いなことか。彼らは私から離れ去った。私に背いたから、彼らは滅びる。どんなに彼らを救おうとしても彼らは私に偽って語る。彼らは心から私の助けを求めようとはしない。寝床の上で泣き叫び、穀物と新しい酒を求めて身を傷つけるが、私には背を向けている」。
・最後にはイスラエル王国はエジプトの軍事力に頼んでアッシリアに反旗を翻し、アッシリア軍に首都を攻められ、滅ぶ。その間エジプトは何の支援もせず、逆にイスラエルの滅亡を見て嘲笑う。
−ホセア7:16「彼らは戻ってきたが、ねじれた弓のようにむなしいものに向かった。高官たちは自分で吐いた呪いのために剣にかかって倒れ、エジプトの地で、物笑いの種となる」。
・超大国アッシリアの前でイスラエルにはどのような選択が可能だったのか。国内に重税を課してアッシリアに貢物を納めるか、エジプトに頼ってアッシリア支配から逃れるかの二つしかなかったのか。第三の道、中立的独立の道はなかったのか。もしイスラエルが主への信仰に固く立てば可能だったかもしれない。しかし同時代のユダ王アハズを見ると、彼もアッシリアの前に揺れ動いている。現実の政治の中に主を求めることは至難の業なのだろうか。
−イザヤ30:15-16「お前たちは、立ち帰って、静かにしているならば救われる。安らかに信頼していることにこそ力がある。しかし、お前たちはそれを望まなかった。お前たちは言った『そうしてはいられない、馬に乗って逃げよう』と。それゆえ、お前たちは逃げなければならない。また『速い馬に乗ろう』と言ったゆえにあなたたちを追う者は速いであろう」。
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