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トップ  >  詩編  >  2011年2月9日祈祷会(詩編83篇、敵からの救済を求める祈り)
1.四方を敵に囲まれて

・詩編83篇は四方の敵からの救済を求める祈りである。弱小の民イスラエルはその歴史において、しばしば民族絶滅の危機にさらされてきた。敵は侵略の機会をうかがい、味方はいない。神の助けなしにイスラエルは生き残ることが出来ない。詩人は「神よ、沈黙しないで下さい。あなたが沈黙すれば私たちは滅ぼされてしまいます」と祈る。
-詩編83:2-5「神よ、沈黙しないでください。黙していないでください。静まっていないでください。御覧ください、敵が騒ぎ立っています。あなたを憎む者は頭を上げています・・・彼らは言います『あの民を国々の間から断とう。イスラエルの名が再び思い起こされることのないように』と」。
・イスラエルは大国の狭間にある小国であり、常にエジプトとメソポタミヤの世界帝国からの侵略を受けて来た。また、近隣にはエドム、モアブ、アンモン、ミディアン、ペリシテ等の異民族がおり、争いを繰り返してきた。6節以降にはイスラエルと争いを繰り返してきた諸民族が挙げられているが、これは具体的な歴史的危機というのではなく、これまでに訪れた危機を普遍的に語っているのであろう。
-詩編83:6-9「彼らは心をひとつにして謀り、あなたに逆らって、同盟を結んでいます。天幕に住むエドム人、イシュマエル人、モアブ、ハガル人。ゲバル、アンモン、アマレク、ペリシテとティルスの住民。アッシリアもそれに加わり、ロトの子らに腕を貸しています」。
・10節以下は過去において、侵略してきたミデイアン人を撃退し、カナンの将軍たちを打ち破った士師時代を取り上げ、あの時のようにあなたが介入して下さいと祈る。
-詩編83:10-13「これらの民に対しても、なさってください、あなたが、かつてミディアンになさったように、キション川のほとりでシセラとヤビンになさったように。エン・ドルで彼らは滅ぼされ、大地の肥やしとされました。これらの民の貴族をオレブとゼエブのように、王侯らをゼバとツァルムナのようにしてください」。
・詩人は言う「敵は神の住まいを我らのものにしようと言っています。あなたは私たちをご自分の民として選ばれた。だから私たちを抹殺しようとする敵の陰謀はあなたに対する敵対行為なのです」と。
-詩編83:14-16「私の神よ、彼らを車の輪のように、風に巻かれる藁のようにしてください。火の手が林を焼くように、炎が山々をなめるように。あなたの嵐によって彼らを追い、あなたのつむじ風によって恐れさせてください」。

2.沈黙しないでください

・自分たちの国がいつ滅ぼされるかという緊張感こそが、イスラエルを信仰の民にしてきた。神が何故イスラエルを選び、イスラエルを通して世界の民族を救おうとされてきたのかの鍵がここにあるのだろう。
-申命記7:6-8「あなたは、あなたの神、主の聖なる民である。あなたの神、主は地の面にいるすべての民の中からあなたを選び、御自分の宝の民とされた。主が心引かれてあなたたちを選ばれたのは、あなたたちが他のどの民よりも数が多かったからではない。あなたたちは他のどの民よりも貧弱であった。ただ、あなたに対する主の愛のゆえに・・・主は力ある御手をもってあなたたちを導き出し、エジプトの王、ファラオが支配する奴隷の家から救い出されたのである」。
・緊張感がない時、私たちは、「安全はタダであり、生活の糧は自分で稼いでいる、誰の世話にもなっていない」という考えに陥りやすい。日本ではキリスト者が少数に対し、韓国では多くの人が信仰に入ったのは、この緊張感の差ではないだろうか。韓国の教会進展の背景には戦前は日本の植民地支配からの解放が、戦後は共産主義の脅威があった。
-申命記8:17-18「あなたは『自分の力と手の働きで、この富を築いた』などと考えてはならない。むしろ、あなたの神、主を思い起こしなさい。富を築く力をあなたに与えられたのは主であり、主が先祖に誓われた契約を果たして、今日のようにしてくださったのである」。
・最後に詩人は敵への打撃を通して、「あなたこそ全地を統治する方であることを彼らが知りますように」と祈る。そこには単に敵の滅びを願う気持ちよりも、敵が悔い改めてあなたの民になりますようにとの祈りがある。
-詩編83:17-19「彼らの顔が侮りで覆われるなら、彼らは主の御名を求めるようになるでしょう。彼らが永久に恥じ、恐れ、嘲りを受けて、滅びますように。彼らが悟りますように、あなたの御名は主、ただひとり、全地を超えて、いと高き神であることを」。
・詩編83篇はアッシリアに都エルサレムを包囲され、降伏しなければ殲滅すると脅かされ、絶体絶命の危機に陥った時のヒゼキヤの祈りを想起させる。彼もまた「あなただけが主なる神であることを知るに至らしめて下さい」と祈った。
-列王記下19:15-19「イスラエルの神、主よ。あなただけが地上のすべての王国の神であり、あなたこそ天と地をお造りになった方です。主よ、耳を傾けて聞いてください。主よ、目を開いて御覧ください。生ける神をののしるために人を遣わしてきたセンナケリブの言葉を聞いてください・・・私たちの神、主よ、どうか今私たちを彼の手から救い、地上のすべての王国が、あなただけが主なる神であることを知るに至らせてください」。
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