すべて重荷を負うて苦労している者は、私のもとに来なさい。

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1.エルサレム陥落

・エレミヤ39章は、エルサレム陥落の出来事を記す。52章により詳細な記録があり、編集者がそれを要約して39章に置いたのであろう。ただ52章の記録も列王記下25章の記事挿入であり、列王記をまとめた申命記史家の編集の手が入っている。バビロン軍は前588年1月にエルサレムを包囲し、1年半の攻防の後、前587年7月にエルサレムは陥落した。
−エレミヤ39:1-2「ユダの王ゼデキヤの第九年十月に、バビロンの王ネブカドレツァルは全軍を率いてエルサレムに到着し、これを包囲した。ゼデキヤの第十一年四月九日になって、都の一角が破られた」。
・1年半の籠城戦で城内の水や食べ物は枯渇し、疫病が発生し、人々は飢え、士気は挫け、脱走兵は続出し、避難民も流失していたであろう。ここまでの災害をもたらした主戦派の罪は大きい。しかし、主戦派は城壁の一角が破られると逃げ出した。エゼキエルは彼らを痛切に批判する。
−エゼキエル22:30「この地を滅ぼすことがないように、私は、わが前に石垣を築き、石垣の破れ口に立つ者を彼らの中から探し求めたが、見いだすことができなかった」。
・ソ連軍侵攻の直前、関東軍上層部は軍人関係者・軍人関係家族・満鉄関係者・政府関係者のために特別列車を仕立てて避難させ、満州居留民は取り残された。状況は似ている。ゼデキヤは逃げたが捕まり、バビロン王のもとに連行され、そこで裁判を受ける。
−エレミヤ39:4-5「ユダの王ゼデキヤと戦士たちは皆、これを見て逃げた。夜中に彼らは二つの城壁の間にある門から、王の園を通り、都を出て、アラバに向かって行った。カルデア軍は彼らの後を追い、エリコの荒れ地でゼデキヤに追いついた。王は捕らえられ、ハマト地方のリブラにいるネブカドレツァルのもとに連れて行かれ、裁きを受けた」。
・バビロン王ネブカドネザルはゼデキヤ王の目の前で王子たちを殺し、王の両眼を潰して足かせをはめ、彼をバビロンに連行した。ゼデキヤはまもなく死んだと思われる。彼は最後まで主に依り頼むことができなかった。ゼデキヤ王の逃亡はバビロン軍からの逃亡であると同時に、神の前からの逃亡であった。
−エレミヤ39:6-7「リブラでバビロンの王は、ゼデキヤの目の前でその王子たちを殺した。バビロンの王はユダの貴族たちもすべて殺した。その上で、バビロンの王はゼデキヤの両眼をつぶし、青銅の足枷をはめ、彼をバビロンに連れて行った」。

2.エレミヤ、エビド・メレク、ゼデキヤ

・城壁は破壊され、町は焼かれ、抵抗する者は殺され、生き残った者は捕囚となった。残されたのは無産の農民たちだけだった。こうして国は滅び、聖都と呼ばれたエルサレムは壊滅した。エレミヤの預言通りのことが起きた。
−エレミヤ39:8-10「カルデア人は、王宮と民家に火を放って焼き払い、エルサレムの城壁を取り壊した。民のうち都に残っていたほかの者、投降した者、その他の生き残った民は、バビロンの親衛隊の長ネブザルアダンによって捕囚とされ、連れ去られた。その日、無産の貧しい民の一部は、親衛隊の長ネブザルアダンによってユダの土地に残され、ぶどう畑と耕地を与えられた」。
・その中でエレミヤは獄から釈放され、丁重に扱われた。バビロン軍は投降してきたユダヤ人兵士を通じて、エルサレムにおけるエレミヤの和平活動を承知しており、彼に敬意を表した。
−エレミヤ39:11-14「バビロンの王ネブカドレツァルはエレミヤに関して、親衛隊長ネブザルアダンに命令を下した『彼を連れ出し、よく世話をするように。いかなる害も加えてはならない。彼が求めることは、何でもかなえてやるように』。そこで、親衛隊長ネブザルアダンは・・・長官たちを遣わし、監視の庭からエレミヤを連れ出し、シャファンの孫で、アヒカムの子であるゲダルヤに預け、家に送り届けさせた。こうして、エレミヤは民の間にとどまった」。
・ゲダルヤはユダヤの和平派貴族で、バビロン軍により総督に任命された。40章の記事によれば、エレミヤはどこにでも行くことを許されが、彼はエルサレムに留まりゲダルヤに協力して、残された人々と苦難を共にする道を選んだ。
−エレミヤ40:6「エレミヤは、ミツパにいるアヒカムの子ゲダルヤのもとに身を寄せ、国に残った人々と共にとどまることになった」。
・39章末尾にはエレミヤを水牢から救ったエビド・メレクに対する記事が挿入されている。エビド・メレクもその信仰故に命を全うすることができた。ユダヤの王でありながら逃亡したゼデキヤとの対比でここに挿入された。彼が異邦人であり、かつ宦官で有ることを考えれば、そのような人を賞賛する記事は評価すべきであろう(イザヤ56:3参照)。
−エレミヤ39:16-18「クシュ人エベド・メレクのもとに赴いて告げよ。イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。見よ、私はこの都について告げた私の言葉を実現させる。それは災いであって、幸いではない。その日には、あなたの見ている前でこれらのことが起こる。しかし、その日に、私はあなたを救い出す、と主は言われる。あなたが恐れている人々の手に渡されることはない・・・剣にかけられることはなく、命だけは助かって生き残る。あなたが私を信頼したからである、と主は言われる。」
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