すべて重荷を負うて苦労している者は、私のもとに来なさい。

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1.戦勝感謝の詩篇

・詩篇20篇は王の出陣式において祭司が捧げた戦勝祈願であり、21編は王が勝利して帰った時の戦勝感謝の歌といわれている。王の就任式を背景と考える人もいるが、私たちは20編に継ぐ詩篇として戦勝感謝と理解する。
-詩篇21:2-4「主よ、王はあなたの御力を喜び祝い、御救いのゆえに喜び躍る。あなたは王の心の望みをかなえ、唇の願い求めるところを拒まず、彼を迎えて豊かな祝福を与え、黄金の冠をその頭におかれた」。
・王の戦勝感謝であるが、王に対する賛辞はここにはない。イスラエルでは王は神の代理人であり、尊ばれることはあっても神格化されることはなかった。真の王は神であるとの理解があった。
-詩篇24:10「栄光に輝く王とは誰か。万軍の主、主こそ栄光に輝く王」。
・故に王が悪政を行った時、それは神の委託を守らない行為として預言者が立ち、王を批判する。エリヤはナボトの土地を欲しがって、彼を殺して土地を手に入れたアハブ王を正面から攻撃する。
-砧鷁Φ21:17-19「主の言葉がティシュベ人エリヤに臨んだ『直ちに下って行き、サマリアに住むイスラエルの王アハブに会え。彼はナボトのぶどう畑を自分のものにしようと下って来て、そこにいる。彼に告げよ“主はこう言われる。あなたは人を殺したうえに、その人の所有物を自分のものにしようとするのか”。また彼に告げよ“主はこう言われる。犬の群れがナボトの血をなめたその場所で、あなたの血を犬の群れがなめることになる”』」。
・バプテスマのヨハネがヘロデ・アンティパスによって捕らえられ、殺されたのも王の不倫を批判したからだ。例え王であっても、主からの委託を踏み外した者は批判される。教会の牧師職も同じだ。委託をまっとうできない時は辞任するしかない。
-マルコ6:17-18「ヘロデは、自分の兄弟フィリポの妻ヘロディアと結婚しており、そのことで人をやってヨハネを捕らえさせ、牢につないでいた。ヨハネが『自分の兄弟の妻と結婚することは、律法で許されていない』とヘロデに言ったからである」。
・王の詩篇には批判的論調はない。祭司の役割は王のために祈ることを通して民の繁栄を願うものだからだ。
-詩篇21:5-8「願いを聞き入れて命を得させ、生涯の日々を世々限りなく加えられた。御救いによって王の栄光は大いなるものになる。あなたは彼に栄えと輝きを賜る。永遠の祝福を授け、御顔を向けられると彼は喜び祝う。王は主に依り頼む。いと高き神の慈しみに支えられ、決して揺らぐことがない」。

2.主が立てられる

・祭司は王のために祈るが、王を讃美するのではなく、あくまでも主を讃美する。その姿勢は王の詩篇においても一貫している。
-詩篇21:9-13「あなたの御手は敵のすべてに及び、右の御手はあなたを憎む者に及ぶ。主よ、あなたが怒りを表されるとき、彼らは燃える炉に投げ込まれた者となり、怒りに呑み込まれ、炎になめ尽くされ、その子らは地から、子孫は人の子らの中から断たれる。彼らはあなたに向かって悪事をたくらみ、陰謀をめぐらすが、決して成功しない。かえって、あなたは彼らを引き倒し、彼らに向かって弓を引き絞られる」。
・このような王の詩篇が私たちにどのような関係を持つのか。「王を讃美するのではなく、主を讃美する」、その姿勢の中に学ぶべきものがあろう。もともとの私たちは「土の塵」で造られ、「主の息」が吹き込まれて生きる者となった(創世記2:7)。主の息(聖霊)が私たちを生かすとの信仰を詩篇記者も歌う。
-詩篇37:4-6「主に自らをゆだねよ、主はあなたの心の願いをかなえてくださる。あなたの道を主にまかせよ。信頼せよ、主は計らい、あなたの正しさを光のように、あなたのための裁きを真昼の光のように輝かせてくださる」。
・私たちが自分の力に頼る時、私たちは本質を失う。私たちの健康も能力もまた主の恵みである。
-申命記8:17-18「あなたは、『自分の力と手の働きで、この富を築いた』などと考えてはならない。むしろ、あなたの神、主を思い起こしなさい。富を築く力をあなたに与えられたのは主であり、主が先祖に誓われた契約を果たして、今日のようにしてくださったのである」。
・主なしにはどのような能力、知力、体力が私たちにあっても空しい。
-詩篇20:8-9「戦車を誇る者もあり、馬を誇る者もあるが、我らは、我らの神、主の御名を唱える。彼らは力を失って倒れるが、我らは力に満ちて立ち上がる」。
・それゆえに私たちが讃美すべきは主であって王ではない。詩篇21:14はそれを歌い上げる。
-詩篇21:14「御力を表される主をあがめよ。力ある御業をたたえて、我らは賛美の歌をうたう」。
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