すべて重荷を負うて苦労している者は、私のもとに来なさい。

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1.シリア・エフライム戦争の危機の中で

・イザヤの時代、アッシリアは世界帝国としてパレスチナに勢力を伸ばし、諸国を制圧し始めていた。その中でシリアと北イスラエルは反アッシリア同盟を結び、同調しないユダを攻めた(前734年)。この事態にユダは動揺した。
−イザヤ7:1-2「ユダの王・・・アハズの治世のことである。アラムの王レツィンとレマルヤの子、イスラエルの王ペカが、エルサレムを攻めるため上って来たが、攻撃を仕掛けることはできなかった。しかし、アラムがエフライムと同盟したという知らせは、ダビデの家に伝えられ、王の心も民の心も森の木々が風に揺れ動くように動揺した」。
・歴代史を見ると、戦争の緒戦でユダは負け、多くの死者と捕虜を出している(歴代史下28:5-8)。アハズ王は事態打開のために、アッシリアの支援を求めようとしていた。この動きにイザヤは反対し、アハズ王と面会する。
−イザヤ7:3-4「主はイザヤに言われた『あなたは息子のシェアル・ヤシュブと共に出て行って、布さらしの野に至る大通りに沿う、上貯水池からの水路の外れでアハズに会い、彼に言いなさい。落ち着いて、静かにしていなさい。恐れることはない。アラムを率いるレツィンとレマルヤの子が激しても、この二つの燃え残ってくすぶる切り株のゆえに心を弱くしてはならない』」。
・イザヤは息子を連れて行けと命じられる。息子の名は「シュアル・ヤシュブ=残りの者は帰ってくる」。主に信頼して委ねれば、主は緒戦の敗退を挽回し、勝利を与えられる。外国の軍隊に頼れば国を滅ぼすことになると。
−イザヤ7:5-9「アラムがエフライムとレマルヤの子を語らって、あなたに対して災いを謀り、『ユダに攻め上って脅かし、我々に従わせ、タベアルの子をそこに王として即位させよう』と言っているが、主なる神はこう言われる。それは実現せず、成就しない・・・信じなければ、あなたがたは確かにされない」。
・「信じなければ確かにされない」、あなたが信じるために主は「しるし」を与えられるゆえ、それを求めよとイザヤは言う。アハズは「求めない」と答える。アハズは主の守りよりも、アッシリアの援軍を頼った。
−イザヤ7:10-13「主は更にアハズに向かって言われた『主なるあなたの神に、しるしを求めよ。深く陰府の方に、あるいは高く天の方に』。しかし、アハズは言った『私は求めない。主を試すようなことはしない』。イザヤは言った『ダビデの家よ聞け。あなたたちは人間にもどかしい思いをさせるだけでは足りず、私の神にも、もどかしい思いをさせるのか』」。

2.主ではなく、アッシリアを頼る罪

・断るアハズに言葉が与えられる。それがインマヌエル(=主は共にいます)預言だ。神が人間の歴史の中に介入される。そのしるしとして、子が生まれて乳離れする前に、シリアとイスラエルは滅ぶであろうと。
−イザヤ7:14-16「私の主が御自らあなたたちにしるしを与えられる。見よ、おとめが身ごもって、男の子を産み、その名をインマヌエルと呼ぶ。災いを退け、幸いを選ぶことを知るようになるまで、彼は凝乳と蜂蜜を食べ物とする。その子が災いを退け、幸いを選ぶことを知る前に、あなたの恐れる二人の王の領土は必ず捨てられる」。
・アハズは主ではなく、アッシリアに頼った。短期的にはそれは国を救うだろう。アッシリアは援軍要請を受けてパレスチナに侵攻し、シリアを征服し(前732年)、イスラエルをも支配した。脅威は去った。しかしアッシリアはユダにも朝貢を求め、以降ユダはアッシリアの属国として重い税を課せられ、国力が衰退していく。
−イザヤ7:17「主は、あなたとあなたの民と父祖の家の上に、エフライムがユダから分かれて以来、臨んだことのないような日々を臨ませる。アッシリアの王がそれだ」。
・アッシリアはかみそりのようにユダから全てのものをかすめとる。人々の尊厳を示すあごひげもそり落とされる。
−イザヤ7:18-20「その日が来れば、主は口笛を吹いて、エジプトの川の果てから蠅を、アッシリアの地から蜂を呼ばれる。彼らは一斉に飛んで来て、深い谷間や岩の裂け目に宿り、どの茨にも、どの牧場にも宿る。その日には、私の主は大河のかなたでかみそりを雇われる。アッシリアの王がそれだ。頭髪も足の毛もひげもそり落とされる」。
・相次ぐ戦乱と重税によって、ユダの地は荒廃し、農地を耕す者もいなくなり、ユダは国民を養う収穫を上げることが出来ず、残されたわずかな家畜に頼って生活するようになると預言される。
−イザヤ7:21-25「その日が来れば人は子牛一頭、羊二匹の命を救いうるのみ・・・鍬で耕されていた山々にも、人は茨とおどろを恐れて足を踏み入れず、ただ牛を放ち、羊が踏み歩くにまかせる」。
・やがてユダはアッシリアの圧制に耐えかねて、新興国バビロンに頼る。このバビロンはアッシリアの脅威からユダを解放するが、やがてはアッシリアと同じ圧制を敷き、ユダを滅ぼす(前587年バビロン捕囚)。人は見返りなしの行為はしない。人の力に信頼する時、私たちは他者の奴隷になるしかないのだ。
−イザヤ2:22「人間に頼るのをやめよ、鼻で息をしているだけの者に。どこに彼の値打ちがあるのか」。
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