すべて重荷を負うて苦労している者は、私のもとに来なさい。

トップ  >  士師記(完)  >  2006年9月6日祈祷会(士師記19章、ギブアの日)
1.ギブアでの出来事

・士師記19章はいつも通り「イスラエルに王がいなかったころ」との記述で始まる。人が絶対者を畏れることなく、自分の目に正しいと思うことをした時、どのような悲惨な出来事が起こるかを士師記は記す。物語は、レビ人が父の家に戻った側女を迎えに行くところから始まる。
―士師記19:1-4「イスラエルに王がいなかったそのころ、エフライムの山地の奥に一人のレビ人が滞在していた。彼はユダのベツレヘムから一人の女を側女として迎え入れた。しかし、その側女は主人を裏切り、そのもとを去ってユダのベツレヘムの父の家に帰り、四か月ほどそこにいた。夫は若者を伴い、ろばを連れて出で立ち、彼女の後を追い、その心に話しかけて連れ戻そうとした。彼女が彼を父の家に入れると、娘の父は彼を見て、喜び迎えた。そのしゅうと、娘の父が引き止めるので、彼は三日間そこにとどまり、食べて飲み、夜を過ごした」。
・レビ人は側女を連れて帰途についたが、途中で日が暮れそうになり、異邦人の町を避け、同胞の町ギブアで一夜を過ごそうとした。しかし、ギブアでは誰も泊めてくれるものは無かった。
―士師記19:14-15「彼らは旅を続け、ベニヤミン領のギブアの近くで日は没した。彼らはギブアに入って泊まろうとして進み、町の広場に来て腰を下ろした。彼らを家に迎えて泊めてくれる者はいなかった」。
・しかし、親切な老人が通りかかり、彼はその家に客となった。
―士師記19:20-21「老人は、『安心しなさい。あなたが必要とするものは私に任せなさい。広場で夜を過ごしてはいけません』と言って、彼らを自分の家に入れ、ろばに餌を与えた。彼らは足を洗い、食べて飲んだ」。


2.罪を罪と思わない世界の展開

・夜になると、ギブアの町の人々が家に押しかけてきて、旅人の肉体を求めた。ソドムで行われていた忌まわしい風習が、ベニヤミン族の中にも蔓延していた。聖書は同性愛を忌まわしいことと断罪する(レビ20:13)。
―士師記19:22「彼らがくつろいでいると、町のならず者が家を囲み、戸をたたいて、家の主人である老人にこう言った『お前の家に来た男を出せ。我々はその男を知りたい』」。
・老人とレビ人は身を守るために、側女を差し出す。それが罪の行為であることを二人とも気づかない。その結果、側女は陵辱され、命を失う。男色は罪であるが、側女を差し出す行為も神の目から見れば忌まわしいことだ。
―士師記19:25-26「人々は彼に耳を貸そうとしなかった。男が側女をつかんで、外にいる人々のところへ押し出すと、彼らは彼女を知り、一晩中朝になるまでもてあそび、朝の光が射すころようやく彼女を放した。朝になるころ、女は主人のいる家の入り口までたどりつき、明るくなるまでそこに倒れていた」。
・女は死んだ。旅人は弔いもせず、旅を続ける。そして家に帰ると、女の体を12等分して、イスラエル各部族に送る。告発状である。そこには自分の財産を犯された怒りはあっても、一人の女性の死を悼む気持ちは無い。
―士師記19:27-29「彼女の主人が朝起きて、旅を続けようと戸を開け、外に出て見ると、自分の側女が家の入り口で手を敷居にかけて倒れていたので、『起きなさい。出かけよう』と言った。しかし、答えはなかった。彼は彼女をろばに乗せ、自分の郷里に向かって旅立った。家に着くと、彼は刃物をとって側女をつかみ、その体を十二の部分に切り離し、イスラエルの全土に送りつけた」。
・ギブアは罪を犯した。その結果、ベニヤミン族と他の部族の間に戦争が起きる。「王がいないとき」、絶対者の居ない時、人は己の判断で行為する。そのときの世界は恐ろしい世界だ。
―士師記19:30「これを見た者は皆言った『イスラエルの人々がエジプトの地から上って来た日から今日に至るまで、このようなことは決して起こらず、目にしたこともなかった。このことを心に留め、よく考えて語れ』」。
・自分の情欲の満足のために女児を誘拐して殺す男があり、再婚の妨げになるために娘を殺す母親もいる。何故このようなことが起こるのか、人は罪の中にあると言わざるをえない。人は恵み以外に救われない。
―ヤコブ4:1-2「何が原因で、あなたがたの間に戦いや争いが起こるのですか。あなたがた自身の内部で争い合う欲望が、その原因ではありませんか。あなたがたは、欲しても得られず、人を殺します。また、熱望しても手に入れることができず、争ったり戦ったりします。得られないのは、願い求めないからです」。
・預言者ホセアはこの出来事を忌まわしいことと断罪する。しかし、神はこのような出来事を放置されない。放置されないことの中に救いがある(最大の処罰は人が悪の中に放置されることだ=ローマ1:24-27)
―ホセア10:9-10「イスラエルよ、ギブアの日々以来、お前は罪を犯し続けている。罪にとどまり、背く者らに、ギブアで戦いが襲いかからないだろうか。いや、私は必ず彼らを懲らしめる。諸国民は彼らに対して結集し、二つの悪のゆえに彼らを捕らえる」。
プリンタ用画面
友達に伝える
前
2006年8月30日祈祷会(士師記17―18章、自分の目に正しいことを行う結末)
カテゴリートップ
士師記(完)
次
2006年9月13日祈祷会(士師記20−21章、神なき世界の混乱)