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2019年3月7日祈祷会(サムエル記下3〜4章、ダビデがイスラエルの王となる道が開かれた)

1.仇敵アブネルの死

・サウル家の実権を握ったのは、軍を掌握するアブネルだった。アブネルはサウル王の側女を自分のものにした。それは彼が王になろうという野心を抱いたことを意味する。イシュ・ボシェト王が彼をとがめると、アブネルは怒り、王国をダビデに渡すと威嚇する。イシュ・ボシェトは何の力も持っていなかった。
−サムエル記下3:7-10「ある日イシュ・ボシェトはアブネルに『何故父の側女と通じたのか』と言った。アブネルはイシュ・ボシェトの言葉に激しく怒って言った『私をユダの犬どもの頭とでも言われるのですか。今日まで私は、あなたの父上サウルの家とその兄弟、友人たちに忠実に仕えてきました。あなたをダビデの手に渡すこともしませんでした。それを今、あの女のことで私を罪に問おうとなさる・・・私は王権をサウルの家から移し、ダビデの王座をダンからベエル・シェバに至るイスラエルとユダの上に打ち立てる』」。
・アブネルはダビデとの和解交渉を始め、ダビデはサウルの娘ミカルを連れてくる事を条件に和解を受け入れる。アブネルは勝ち馬の側につこうとした。
−サムエル記下3:12-13「アブネルはダビデのもとに使者を送って言った『この地を誰のものと思われますか。私と契約を結べば、あなたの味方となって全イスラエルがあなたにつくように計らいましょう』。ダビデは答えた『よろしい、契約を結ぼう。ただし・・・会いに来るときは、サウルの娘ミカルを必ず連れて来るように』」。
・ミカルはダビデの妻であったが、今は他の男に嫁いでいる。サウルの娘がダビデの妻になれば、それはサウル家とダビデ家の和解のしるしとなり、ダビデは正当な王位継承者となる。
−サムエル記下3:14-16「ダビデは、サウルの子イシュ・ボシェトに使者を遣わし、ペリシテ人の陽皮百枚を納めてめとった妻ミカルをいただきたい、と申し入れた。イシュ・ボシェトは人をやって、ミカルをその夫、ライシュの子パルティエルから取り上げた。パルティエルは泣きながらミカルを追い、バフリムまで来たが、アブネルに「もう帰れ」と言われて帰って行った」。
・アブネルはダビデと和解契約を結ぶが、帰途、ダビデの将軍ヨアブによりだまし討ちで殺される。ヨアブは弟を殺したアブネルを憎んでいた。
−サムエル記下3:26-27「ヨアブはダビデのもとを引き下がるとアブネルを追って使いを出した。使いはボル・シラからアブネルを連れ戻した。ダビデはそのことを知らなかった。アブネルがヘブロンに戻ると、ヨアブは静かなところで話したいと言って城門の中に誘い込み、その場でアブネルの下腹を突いて殺し弟アサエルの血に報いた」。
・ダビデはアブネルを丁重に葬る。敵の将軍アブネルの死はダビデには吉報だった。しかし、ダビデはそれを喜ばない。
−サムエル記下3:31-32「ダビデは、ヨアブとヨアブの率いる兵士全員に向かって『衣服を裂き、粗布をまとい、悼み悲しんでアブネルの前を進め』と命じ、ダビデ王自身はアブネルのひつぎの後に従った。一同はアブネルをヘブロンに葬った。王はその墓に向かって声をあげて泣き、兵士も皆泣いた」。

2.競合者イシュ・ボシェトの死

・アブネルの死はサウル家を支持するイスラエル諸部族に脅威を与えた。サウル家に仕えていた二人の軍人は王イシュ・ボシェトを殺害し、その首を報償目当てにダビデの下に持参する。
−サムエル記下4:5-8「レカブとその兄弟バアナは・・・イシュ・ボシェトが寝室の寝床に横たわっていたので、突き刺して殺し、首をはねた。彼らはその首を携えて・・・ヘブロンのダビデのもとにその首を持参した」。
・イシュ・ボシェトの死もダビデには吉報のはずであった。しかし、ダビデはこの死を喜ばず、イシュ・ボシェトを殺害した二人を処刑した。
−サムエル記下4:9-11「あらゆる苦難から私の命を救われた主は生きておられる。かつてサウルの死を私に告げた者は、自分では良い知らせをもたらしたつもりであった。だが、私はその者を捕らえ、ツィクラグで処刑した。それが彼の知らせへの報いであった。まして、自分の家の寝床で休んでいた正しい人を、神に逆らう者が殺したのだ。その流血の罪をお前たちの手に問わずにいられようか。お前たちを地上から除き去らずにいられようか」。
・アブネルの死は弟を殺されたヨアブの復讐により、イシュ・ボシェトの死は報償目的の軍人によって為された。ダビデは自らの手を血で汚すことなく、全イスラエルの王となる。神は殺人という犯罪行為すらも、より遠大な計画の道具として用いられる。二人の殺人者の言葉がそれを示す。
−サムエル記下4:8「二人は王に言った『御覧ください。お命をねらっていた、王の敵サウルの子イシュ・ボシェトの首です。主は、主君、王のために、サウルとその子孫に報復されました』」。

3.サムエル記下3−4章の黙想(神の経綸に信頼する)

・神の約束による王を目指すダビデは、自分の手で相手の血を流そうとはしなかった。ダビデは敵将アブネルの死を喜ばなかった。
−サムエル記下3:28-29「ダビデは言った。『ネルの子アブネルの血について、私と私の王国は主に対してとこしえに潔白だ。その血はヨアブの頭に、ヨアブの父の家全体にふりかかるように』」。
・またダビデは対抗する王イシュ・ホシェトの暗殺を喜ばす、殺害者を処刑する。
−サムエル記下4:11「(お前たちは)自分の家の寝床で休んでいた正しい人を、神に逆らう者が殺したのだ。その流血の罪をお前たちの手に問わずにいられようか。お前たちを地上から除き去らずにいられようか」。
・さらにダビデはサウル家の血を引く唯一の相続人メフィボシェトを保護する。相手を滅ぼし尽すことが当然であった戦国時代の武将としては異例の行為だ。
−サムエル記下9:6-8「サウルの子ヨナタンの子メフィボシェトは、ダビデの前に来るとひれ伏して礼をした。『メフィボシェトよ』とダビデが言うと、『僕です』と彼は答えた。『恐れることはない。あなたの父ヨナタンのために、私はあなたに忠実を尽くそう。祖父サウルの地所はすべて返す。あなたはいつも私の食卓で食事をするように』とダビデが言うと、メフィボシェトは礼をして言った。『僕など何者でありましょうか。死んだ犬も同然の私を顧みてくださるとは』」。
・神の経綸に信頼するゆえに、ダビデは自らの手で悪を除こうとはしない。自らの手で悪を取り除こうとする時、人は自らが毒麦になって行くことを知るからだ。
―マタイ13:28-30「主人は、『敵の仕業だ』と言った。そこで、僕たちが、『では、行って抜き集めておきましょうか』と言うと、主人は言った。『いや、毒麦を集めるとき、麦まで一緒に抜くかもしれない。刈り入れまで、両方とも育つままにしておきなさい。刈り入れの時、「まず毒麦を集め、焼くために束にし、麦の方は集めて倉に入れなさい」と、刈り取る者に言いつけよう』」。
・神の計画は私たちには測りがたい。イスカリオテのユダの行為もそうだ。彼はイエスを祭司長たちに売り渡して裏切った。しかし、この裏切りを通して、十字架の贖いという神の計画がなっていく。神の思いは私たち超えている。それを信頼していくのが信仰だ。
―イザヤ55:8-11「私の思いは、あなたたちの思いと異なり、私の道はあなたたちの道と異なる・・・天が地を高く超えているように、私の道は、あなたたちの道を、私の思いはあなたたちの思いを、高く超えている・・・私の口から出る私の言葉も、空しくは私の元に戻らない。私の望むことを成し遂げ、私が与えた使命を必ず果たす」。
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